覚醒剤の再犯!?逮捕された後の流れや解決事例などをまとめて専門弁護士が解説

  • 覚醒剤での再犯で逮捕されるとどうなるのか
  • 覚醒剤事件を再犯した場合の解決事例を知りたい
  • 覚醒剤の再犯事件について弁護士に依頼すると費用はどのくらいかかるのか

覚醒剤を使用すると一時的に快楽をもたらします。しかし、心身を蝕む上に高い依存性を持ちます。そのため、一度覚醒剤を使用すると使用をやめられないものです。

また、その依存性の高さから、覚醒剤事件は再犯率が高いとされています。さらに、覚醒剤事件の初犯では、逮捕されても執行猶予付きの判決になることが多いですが、再犯ではいきなり実刑判決が下ることが多いです。ただ、再犯で逮捕されても、条件がそろえば執行猶予付きの判決や不起訴処分を勝ち取る可能性はあります。

そこで今回は、多くの覚醒剤事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、覚醒剤事件で逮捕された後の流れ・事例・当事務所の費用などを解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

刑事事件でお困りの方へ

・無料相談受付中・全国対応

24時間・土日祝日も受付0120-855-995

覚醒剤事件の再犯率と再犯時の刑期を解説

ここでは、覚醒剤事件の基礎知識として、以下の2つを解説します。

  • 再犯率
  • 再犯時の刑期

では、1つずつ解説します。

再犯率

基礎知識の1つ目は、再犯率です。

法務省の「令和2年版 犯罪白書」によると、覚醒剤取締法違反により検挙された成人の同一罪名再犯率(以下、「再犯率」)は、平成12年から令和元年にかけて増加傾向にあります。たとえば、令和元年における「再犯率」は66.9%でした。これは、前年比で0.3%上昇した数値です。

また、平成12年と比較すると「再犯率」は14.5%も上昇しています。このように、覚醒剤事件は再犯率が年々増えていると言えるでしょう。

出典:令和2年版 犯罪白書 第7編/第4章/第3節/1 | 法務省

再犯時の刑期

基礎知識の2つ目は、再犯時の刑期です。ここでは、以下の2パターンに分けて解説します。

  • 執行猶予中の再犯
  • 執行猶予後の再犯

では、1つずつ解説します。

関連記事:覚醒剤で執行猶予を決める判断ポイントとは?強い弁護士が徹底解説

執行猶予中の再犯

1つ目は、執行猶予中の再犯です。

執行猶予中の再犯では、以下の3つの要件を全て満たさない限り実刑となります。

  1. 1年以下の懲役または禁錮の言渡しを受けること
  2. 情状に酌量すべきものがあること
  3. 前科で保護観察が付いており、その期間内に追加で罪を犯した場合ではないこと

しかし、覚醒剤事件で1年以下の懲役はほとんどありません。そのため、条件1を満たせないため、執行猶予中の再犯では前の刑と今回の刑を合わせた期間が懲役となる可能性が高いです。

たとえば、前刑が懲役2年で今刑が懲役3年とすると、5年の懲役刑になります。

執行猶予後の再犯

2つ目は、執行猶予後の再犯です。

覚醒剤事件を繰り返す人物は、社会生活の中で更生することは厳しいと判断されるでしょう。そのため、執行猶予後の再犯で逮捕されると、実刑判決となる可能性が高いです。

一般には、逮捕の回数が2、3回であれば、懲役2年前後の判決が下ることが多いです。また、再逮捕の回数が増えるごとに半年ずつ刑期が増えることが相場とされています。しかし、執行猶予後の再犯でも、前回の執行猶予期間から7年以上空いていれば、執行猶予が付くケースも散見されます。

刑事事件に強い弁護士による逮捕・不起訴・裁判の無料相談!

覚醒剤の再犯で逮捕された後の流れ

ここでは、覚醒剤の再犯で逮捕された後の流れについて、以下の4つを解説します。

  • 逮捕の種類
  • 警察による取調べ
  • 勾留
  • 起訴・不起訴の決定

では、1つずつ解説します。

逮捕の種類

逮捕された後の流れを解説する前に、逮捕の種類を表にまとめて解説します。

現行犯逮捕 逮捕の流れ
  • 逮捕条件に該当する犯人を逮捕、警察官に引き渡し
  • 警察署に連行し取調べをうける
逮捕条件
  • 犯行中または犯行直後(現行犯)
  • 犯行後明らかに犯人であると断定できる(準現行犯)
逮捕状 不要
後日逮捕 逮捕の流れ
  • 警察官や検察官などが逮捕状を請求
  • 裁判官が発行した逮捕状
  • 自宅逮捕や任意取調べ中
逮捕条件
  • 犯罪を疑う相当の理由(逮捕理由)
  • 逃亡や証拠隠滅の恐れあり(逮捕の必要性)
逮捕状 必要
緊急逮捕 逮捕の流れ
  • 指名手配犯の発見、別件の取調べ中に発覚
  • 緊急逮捕後に裁判所に逮捕状の請求が必要
逮捕条件
  • 緊急性ありの重大事件
  • 犯罪を疑う相当の理由(逮捕理由)
  • 逃亡や証拠隠滅の恐れあり(逮捕の必要性)
逮捕状 不要(逮捕後に早急に逮捕状の請求が必要)

 

警察による取調べ

逮捕された後の流れの1つ目は、警察による取調べです。

逮捕後は、48時間以内に警察から検察に事件が送致されます。検察に送致されてからは、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求を行います。つまり、身柄解放を請求するには、この72時間以内に行う必要があります。

なお、この期間内は弁護士以外と面会できません。

勾留

逮捕された後の流れの2つ目は、勾留です。

裁判官によって勾留請求が認められると、10日間身柄が拘束されます。覚醒剤事件においては証拠隠滅の恐れがあるため、多くの事案で勾留が決定されると考えるべきでしょう。また、10日間の勾留期間で捜査が完了しない場合は、さらに最大10日間勾留期間が延長されます。つまり、起訴前の勾留期間は最長で20日間となります。

この期間中は会社や学校に行けないため、社会生活に大きな影響を与えます。

起訴・不起訴の決定

逮捕された後の流れの3つ目は、起訴・不起訴の決定です。

起訴されると刑事裁判を受けなければなりません。しかし、被疑者が犯行を否認している上で十分な証拠が揃っていないと判断されたときには、不起訴処分が下されます。その場合、勾留期間満了時に釈放されます。

家族が逮捕されたら!即日の接見を専門弁護士に依頼!

覚醒剤の再犯事件で弁護士に依頼するメリット

ここまで、覚醒剤の再犯で逮捕された後の流れを解説してきました。これらの流れを理解して、少しでも自分に有利な状態に持ち込むには、法的な知識や事件解決に携わった経験のある弁護士に弁護を依頼することがおすすめです。

ここでは、覚醒剤の再犯事件で弁護士に依頼するメリットとして、以下の3つを解説します。

  • 逮捕を回避できる可能性を高める
  • 早期釈放に向け動いてくれる
  • 執行猶予や無罪を目指して弁護活動をしてくれる

では、1つずつ解説します。

関連記事:覚醒剤事件は弁護士にすぐ相談!迅速な解決に導くために必要なことは?

逮捕を回避できる可能性を高める

弁護士に依頼するメリットの1つ目は、逮捕を回避できる可能性を高めることです。

覚醒剤事件が疑われた場合、原則として即逮捕されます。しかし、弁護士に依頼して司法警察職員や検察官に連絡してもらうことで、逮捕を回避できることがあります。その場合、在宅捜査されるものの逮捕はされないため、会社や学校などの社会生活に与える影響を軽減できます。

早期釈放に向け動いてくれる

弁護士に依頼するメリットの2つ目は、早期釈放に向け動いてくれることです。

覚醒剤事件で逮捕された場合、逮捕期間や勾留期間を考えると、最長で23日間身柄を拘束されることになります。この期間中は行動が制限されるため、会社や学校など社会生活に大きな影響を与えかねません。また、この期間は接見が禁止されている場合、弁護士以外と接見できません。

そこで、弁護士に相談して罪証隠滅や逃亡の可能性がないことを主張してもらうことで、早期釈放を目指すとよいでしょう。

執行猶予や無罪を目指して弁護活動をしてくれる

弁護士に依頼するメリットの3つ目は、執行猶予や無罪を目指して弁護活動をしてくれることです。

覚醒剤事件で逮捕・起訴されたとしても、執行猶予付きの判決であればすぐに刑務所に行く必要はありません。執行猶予を勝ち取る可能性を高めるには、法律の知識や薬物事件の解決実績が豊富な弁護士のサポートは必要不可欠でしょう。

弁護士は、被疑者の再犯防止の取り組みを訴えて情状酌量を主張するなどの方法で、少しでも執行猶予を勝ち取る可能性を高めてくれます。また、覚醒剤事件の心当たりがないにもかかわらず起訴された場合は、無罪を目指して弁護活動をしてくれます。再犯は初犯と比べて実刑判決となる可能性が高いので、一層弁護士のサポートが重要になるでしょう。

覚醒剤の再犯事件を解決した事例

ここでは、覚醒剤の再犯事件を解決した事例を2つ解説します。

事例1

事例の1つ目は、覚醒剤の他人使用で逮捕された事例です。

依頼者の息子は、風俗サービスを利用したときに、相手の女性に覚醒剤を塗布した容疑で逮捕されました。このとき、自宅から大麻も発見されています。依頼者の息子は、10年以上前に覚醒剤の使用で逮捕され、執行猶予付きの判決を受けていたため、覚醒剤事件の再犯で逮捕されたことになります。

この事例では、相手の女性と連絡をとって示談を行いました。また、依頼者の息子は自己分析を進めた上で反省文を作成しました。これらが裁判官に認められ、保釈請求が認められた上で執行猶予付きの判決を受けました。

事例2

事例の2つ目は、覚醒剤事件での執行猶予中に、覚醒剤の所持・使用の再犯で逮捕された事例です。

執行猶予判決からは半年程度であり、今回の逮捕では実刑となることはほぼ確実でした。しかし、依頼者は妻とともに不妊治療を行っていました。その不妊治療では精子の冷凍保存が必要でした。また、妻の卵子の状態から、医師からは後1〜2年程度が不妊治療の限度と宣告されていました。

このことを裁判所に上申したところ、起訴直後に保釈を認められ、精子の冷凍保存が可能になりました。最終的には実刑判決が下されたものの、夫婦は子供を持てる可能性を残せたのでした。

覚醒剤の再犯事件に対する当事務所の解決の流れと費用

ここでは、当事務所での事件解決の流れと費用を解説します。

解決の流れ

当事務所に依頼してから解決するまでの流れは、以下のとおりです。

  • 電話相談
  • 来所相談
  • 依頼
  • 弁護活動
  • 公判(裁判)

費用

当事務所の弁護士費用は、以下の通りです。

すでに釈放されているとき 着手金 30万円(税込33万円)
不起訴処分など成功報酬金 20~50万円(税込22~55万円)
逮捕・勾留されているとき 着手金 30万円(税込33万円)
釈放・勾留短縮の成功報酬金 20万円(税込22万円)
不起訴の成功報酬金 20~50万円(税込22~55万円)
公判(裁判)が行われるとき 着手金 30万円(税込33万円)
保釈の成功報酬金 10~20万円(税込11~22万円)
起訴猶予の成功報酬金 0~50万円(税込0~55万円)

 

まとめ

今回は、多くの覚醒剤事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、覚醒剤事件で逮捕された後の流れ・事例・当事務所の費用などを解説しました。

覚醒剤事件はその依存性の高さから、再犯が多いとされています。事実、覚醒剤取締法違反により検挙された成人の同一罪名再犯率は、平成12年から増加傾向にあります。また、再犯は初犯と比べて、実刑判決となる可能性や罪が重くなる可能性が高いでしょう。

ただ、逮捕された後の流れを理解して速やかに対策を講じれば、執行猶予付きの判決や不起訴処分を勝ち取れる可能性もあります。

覚醒剤事件の再犯が疑われて逮捕されたときには、薬物事件に詳しいプロの弁護士に弁護活動を依頼しましょう。費用はかかりますが、早く確実に事件を解決できるメリットの方が大きいでしょう。

刑事事件に強い弁護士が逮捕・不起訴・裁判を強力解決!

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設