• 薬物事件の捜査はどのように行われるの?
  • 薬物事件の捜査で薬物所持が見つかったらどうなるの?
  • 薬物事件の捜査で不安なときに弁護士はどのようなサポートをしてくれるのか?

薬物事件の捜査がどのように行われるのか、少しでも身に覚えがあるのであれば気になるものです。薬物事件の捜査で薬物所持が見つかったら、すぐに逮捕されてしまうのかも心配になる方もいるかもしれません。

薬物事件の捜査で疑いがかけられ、日々不安な気持ちで過ごしている人は、弁護士を頼りたいが果たして弁護士はどのようなサポートをしてくれるのか知りたいことでしょう。

そこで今回は、薬物事件に精通している実績のある弁護士が、薬物事件での捜査のケース・捜査からの逮捕の種類・所持が発覚したあとの流れ・逮捕されたときに弁護士ができることなどについて解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

刑事事件でお困りの方へ

・無料相談受付中・全国対応

24時間・土日祝日も受付0120-855-995

薬物事件の捜査が始まる3つのパターン

薬物事件の捜査が始まる3つのパターンについて解説します。

  • 職務質問から
  • 家宅捜索から
  • 税関での薬物発覚から

1つずつ解説します。

職務質問から

1つ目は、職務質問からです。

たとえば、警ら中の警察官が蛇行運転する自動車を認め、職務質問のために停止させたところ、運転者には酒臭がしないため薬物使用の疑いが濃厚と認められたため、運転者に対し職務質問を行うとともに、その承諾を得て所持品検査を実施したとします。

そして、自動車内から薬物が発見されたため、その場で簡易検査を実施したところ、薬物の陽性反応が出たため現行犯逮捕する場合が、職務質問からの薬物事件捜査のケースといえます。

家宅捜索から

2つ目は、家宅捜索からです。

たとえば、Aさんが薬物所持の疑いで通常逮捕(後日逮捕)され、あるいは売人が検挙されたことにより、売人の供述から譲り渡した相手の客としてAさんが特定されたとします。

その後、Aさん方に対する捜索差押許可状が発付され、Aさん方を捜索したところ薬物が発見されたため、その薬物を押収する場合が、家宅捜索からの薬物事件捜査のケースといえます。

税関での薬物発覚から

3つ目は、税関での薬物発覚からです。

たとえば、Aさんが海外の闇サイトから国際郵便物を利用して薬物を密輸入しようとした際、税関での郵便物検査で薬物と思われる物品が発見されたため、税関付設警察署の警察官が薬物と思われる物品の簡易検査を実施し、薬物の陽性反応が出たとします。その後、国際郵便物を最寄りの郵便局に受け取りに来たAさんを薬物所持で現行犯逮捕する場合が、税関での薬物発覚からの薬物事件捜査のケースといえます。

また、薬物発覚後、Aさん方に対する捜索差押許可状の発付を得て、Aさんに対する家宅捜索が行われ、Aさんの購入履歴などが確認される場合も、税関での薬物発覚からの薬物事件捜査のケースといえます。

刑事事件に強い弁護士による逮捕・不起訴・裁判の無料相談!

薬物事件の捜査からの逮捕の種類

薬物事件の捜査からの逮捕の種類について、3つ解説します。

  • 現行犯逮捕
  • 通常逮捕(後日逮捕)
  • 緊急逮捕

1つずつ解説します。

現行犯逮捕

1つ目は、現行犯逮捕です。

たとえば、警ら中の警察官が挙動不審者に職務質問をした際、所持品検査の結果、薬物と思われる物品を発見したため、その場で簡易検査を実施したとします。そして、薬物の陽性反応が出たときに、警察官がその場でAを薬物所持で逮捕するのが現行犯逮捕です。

通常逮捕(後日逮捕)

2つ目は、通常逮捕(後日逮捕)についてです。

たとえば、警察は、捜査の結果、Aに薬物事件の疑いがあるため、A方に対する捜索差押許可状の発付を得て、A方に対する家宅捜索を実施したとします。その結果、薬物が発見されたときに、Aに対する通常逮捕状の発付を得て、警察官がAを逮捕するのが通常逮捕(後日逮捕)です。

緊急逮捕

3つ目は、緊急逮捕についてです。

緊急逮捕とは、検察官・検察事務官または司法警察職員が、

死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができない

ときに、その理由を告げて被疑者を逮捕することです。

そして、この場合には逮捕した後、直ちに裁判官の逮捕状を請求する手続きをとり、逮捕状(緊急逮捕)が発付されてはじめて身柄拘束が許されるものです。もとより、逮捕状が発付されなければ、直ちに被疑者は釈放されます。

出典:刑事訴訟法 第210条 | e-Gov法令検索

家族が逮捕されたら!即日の接見を専門弁護士に依頼!

薬物事件の捜査で所持が発覚したあとの流れ

薬物事件が発覚すると、公的機関が動き出します。薬物事件の捜査で所持が発覚したあとの流れについて3つ解説します。

  • 逮捕
  • 勾留
  • 起訴・不起訴・公判

1つずつ解説します。

逮捕

1つ目は、逮捕です。

まず司法警察員は、薬物所持の被疑事実で逮捕されている被疑者に対して直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解を機会を与え、留置の必要があると判断したときは、被疑者が身体を拘束されたときから48時間以内に、書類および証拠物とともに被疑者を検察官に送致する手続きをとります。

次に検察官は、司法警察員から送致された被疑者を受け取ったときは、弁解の機会を与え、留置の必要があると判断したときは、被疑者を受け取ったときから24時間以内で、かつ最初に被疑者が身体を拘束されたときから72時間以内に、裁判官に被疑者の勾留を請求します。

出典:刑事訴訟法 第204条 | e-Gov法令検索

勾留

2つ目は、勾留についてです。

裁判官は、検察官の勾留請求を受け、被疑者に対し勾留質問を行って、その当否を審査します。裁判官は、被疑者に薬物所持の罪を犯した疑いがあり、住居不定、罪証隠滅のおそれまたは逃亡のおそれがある場合、捜査の上で身柄の拘束が必要だと判断したときは、10日間の拘束を認める勾留決定をします。

検察官は、薬物所持の事件の複雑・困難、証拠収集の遅延・困難、期間満了時における起訴・不起訴処分の困難など、やむを得ない事情がある場合は10日を上限として勾留期間の延長を裁判官に請求します。裁判官は、請求に理由があれば10日を上限として勾留期間の延長を決定できます。

起訴・不起訴・公判

3つ目は、起訴・不起訴・公判についてです。

検察官は、原則として10日間の勾留期間内あるいは勾留期間が延長された場合にはその勾留期間内で、起訴・不起訴を判断しなければなりません。検察官は、有罪判決が得られる見込みが高い場合は、原則として起訴することになります。見込みがないと判断し起訴しない場合には、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」などの理由で、それぞれ不起訴の処分をします。

そして公判の手続きは、検察官の起訴によって開始されます。起訴された場合には必ず公開の法廷で行われます。公判の手続きでは、証拠調べの結果を踏まえ、被告人が起訴された薬物所持の犯罪事実を犯したかどうかを認定します。裁判所は、有罪と認定した場合、被告人に科すべき懲役、禁錮、罰金などの刑の種類および重さ(懲役などの期間や罰金額)を決めます(量刑)。

関連記事:薬物の所持で考えられる処罰と不起訴を目指すための方法を弁護士が解説

薬物事件の捜査で逮捕されたときに弁護士ができること

薬物事件の捜査で逮捕されたとき、弁護士はどのような活動をしてくれるのでしょうか?ここでは、弁護士ができることについて3つ解説します。

  • 最短で釈放できる速やかな初動
  • 絶対にあきらめない弁護活動
  • 家族のサポート

1つずつ解説します。

最短で釈放できる速やかな初動

1つ目は、最短で釈放できる速やかな初動をとってくれることです。

薬物事件で逮捕されている場合、最短で釈放できるためにはできるだけ速やかな初動が必要です。家族が依頼すれば、弁護士はすぐに弁護活動を迅速に開始し、被疑者の釈放に向けて手を尽くしてくれます。たとえば、被疑者が逮捕されたのが深夜であっても、すぐに接見に行ってくれる弁護士もいます。

逮捕中は家族でも接見できません。接見できるのは弁護士のみです。最大72時間の逮捕中、被疑者が今後のことについて弁護士と話し、釈放に向けていろいろと相談できるのが重要なことになります。

関連記事:薬物事件での勾留から早期釈放を目指すなら弁護士の介入がおすすめ!

絶対にあきらめない弁護活動

2つ目は、絶対にあきらめない弁護活動をしてくれることです。

弁護士は、被疑者の薬物事件の内容や前科などを総合的に検討して、いくつかの見通しを立てます。そこで重要になるのが、不起訴を目指す場合です。薬物事件では、不起訴処分で終わる場合もあります。不起訴の可能性がある限り、不起訴をあきらめずに目指してくれる弁護士は頼れる弁護士です。

また、身に覚えのない疑いをかけられている否認事件であれば、被疑者の言い分に真摯に耳を傾け、親身になって弁護活動を行うことで成果が得られれば、特に不起訴の傾向が多いといえます。

そして、「黒を白」ではなく綿密な戦略と取調べ対応で不起訴を目指すことは、絶対にあきらめない弁護活動の表れといえ、被疑者やその家族との信頼を深めてくれる弁護士であるといえます。

家族のサポート

3つ目は、家族のサポートをしてくれることです。

被疑者が突然逮捕された場合、逮捕中は家族でも接見できないため、被疑者の家族は不安な気持ちになることでしょう。そのような場合に、家族の不安な気持ちを受け止めてくれる弁護士は頼りになるといえます。そして、不安になった場合に、いつでも携帯電話に連絡でき、LINEなども活用している担当弁護士であれば、被疑者の家族をしっかりとサポートしますので、家族にとっても精神的な支えになります。

まとめ

今回は、薬物事件に精通している実績のある弁護士が、薬物事件での捜査のケース・捜査からの逮捕の種類・所持が発覚したあとの流れ・逮捕されたときに弁護士ができることなどについて解説しました。

薬物事件の捜査が行われ薬物が発見された場合には、薬物所持で逮捕される可能性は高いものです。薬物事件で逮捕された場合に、弁護士を頼ることにより、不起訴処分で早期に釈放されることもあるでしょう。

被疑者の家族にとっても、弁護士のサポートは欠かせません。薬物事件で逮捕された場合には、被疑者本人のみならずその家族の方も、ぜひ一度専門の弁護士にご相談ください。

刑事事件に強い弁護士が逮捕・不起訴・裁判を強力解決!

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設