• 薬物と在宅起訴に関する基礎知識を整理したい
  • 薬物事件で在宅起訴を受けてからの流れを知りたい
  • 薬物事件の在宅起訴で実刑判決を回避するにはどうればいいのだろうか

毎年多くの薬物事件が起きている中で、一部の薬物事件では、被疑者の身柄を拘束せずに起訴を受ける在宅起訴が行われています。在宅起訴でも、起訴を受けてからの流れを把握して適切な弁護活動を行ってもらうことが、実刑判決を免れるために重要です。

そこで今回は、多くの薬物事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、薬物事件で在宅起訴された後の流れや実刑を回避する方法などを解説します。

薬物と在宅起訴に関する基礎知識

ここでは、薬物と在宅起訴に関する基礎知識として、以下の3つを解説します。

  • 薬物事件の現状
  • 薬物事件に係る法律と刑罰
  • 在宅起訴に関するキーワード

では、1つずつ解説します。

関連記事:薬物の使用の影響と事件になった後の流れなどを弁護士がまとめて解説

薬物事件の現状

基礎知識の1つ目は、薬物事件の現状です。

薬物事件とは、覚醒剤取締法・大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法・あへん法に違反した事件のことです。令和2年の薬物事件検挙数は、令和3年警察白書 統計資料にある「3-5 薬物事犯の態様別検挙状況(令和2年)」によると、以下のとおりです。

  • 覚醒剤取締法違反:1,2124件
  • 大麻取締法違反:6,015件
  • 麻薬及び向精神薬取締法違反:1,081件
  • あへん法違反:11件
関連記事:令和3年警察白書 統計資料|警察庁

薬物事件に係る法律と刑罰

基礎知識の2つ目は、薬物事件に係る法律と刑罰です。

上記のとおり、薬物事件に係る法律は以下の4つです。

  • 覚醒剤取締法
  • 大麻取締法
  • 麻薬及び向精神薬取締法
  • あへん法

主にこれらの法律によって、薬物の所持や使用などが規制されています。また、それぞれの薬物により刑罰も異なります。一般的な量刑の重さは、それぞれ下記の通りです。

・覚醒剤事件:10年以下の懲役
・麻薬及び向精神薬に関する事件:7年以下の懲役
・大麻事件:5年以下の懲役

関連記事:覚醒剤取締法 | e-Gov法令検索
関連記事:大麻取締法 | e-Gov法令検索
関連記事:麻薬及び向精神薬取締法 | e-Gov法令検索
関連記事:あへん法 | e-Gov法令検索

在宅起訴に関するキーワード

基礎知識の3つ目は、在宅起訴に関するキーワードです。在宅起訴に関する、知っておくべきキーワードとそれぞれの意味は下記の表の通りです。

用語 意味
家宅捜索
  • 証拠品押収のために、警察が自宅や会社などに立ち入って捜査
  • 裁判官が発布した捜索差押許可状に基づいて執行される場合と、逮捕に伴って無令状で執行される場合がある
書類送検
捜査を終えた事件の関係書類を、警察から検察に引き継ぐ手続き
略式手続
  • 簡易裁判所が書面のみで審理する裁判手続
  • 刑罰は罰金刑のみであり、審理は非公開
略式起訴
略式手続を採用するにあたり、検察官が簡易裁判所に対して行う手続き
略式命令
書面によって罰金刑が言い渡される

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薬物事件で在宅起訴された後の流れ

ここでは、薬物事件で在宅起訴された後の流れに関して、以下の2つを解説します。

  • 在宅起訴された後の流れ
  • 在宅起訴後に逮捕・勾留される可能性は低い

では、1つずつ解説します。

在宅起訴された後の流れ

1つ目は、在宅起訴された後の流れです。

在宅起訴の処分が下されると、起訴から1~2週間で、以下の3つの書類が送られます。

  • 起訴状の謄本
  • 資力申請書
  • 弁護人選任に関する回答書

また、資力申請書と弁護人選任に関する回答書については、記入の上返送する必要があります。これらの通知が届いたら、必ず受け取って適切な対応を行いましょう。

在宅起訴後に逮捕・勾留される可能性は低い

2つ目は、在宅起訴後に逮捕・勾留される可能性は低いことです。

なぜなら逮捕や勾留は、被疑者の取調べや証拠隠滅防止のために行われるもので、起訴後は証拠集めが完了して身柄の拘束が不要だからです。ただし、指定された期日に裁判所からの召喚に応じないなど、裁判を適切に継続することが困難であると判断された場合、身柄を拘束される可能性もあります。

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薬物事件で在宅起訴されたときに実刑を回避する方法

在宅起訴においても、実刑を回避する方法は通常の裁判と同様です。具体的には、実刑判決に値する悪質な事案ではないことを主張すると同時に、再犯の可能性も低いことを証明することが求められます。これらを確実に行うためにも、弁護士に十分相談して有利な証拠を集めて綿密な戦略を練るように心掛けましょう。

薬物事件で在宅起訴されたときには弁護士に弁護を依頼!

ここでは、薬物事件の在宅起訴で弁護士に弁護を依頼するときのポイントとして、以下の2つを解説します。

  • いつ弁護士に依頼すればいいか
  • 弁護士に依頼するメリット

では、1つずつ解説します。

関連記事:向精神薬で在宅起訴されたらどうしたらいい?起訴の種類・条件・弁護活動を徹底解説

いつ弁護士に依頼すればいいか

1つ目は、いつ弁護士に依頼すればいいかです。

これは、できる限り早い段階で依頼することが正解です。少しでも薬物事件を疑われている場合は、いち早く弁護士に相談して戦略を立てることで、薬物事件で実際に在宅起訴や逮捕をされても、早く確実に解決できる可能性が高まるでしょう。

弁護士に依頼するメリット

2つ目は、弁護士に依頼するメリットです。

薬物事件の在宅起訴で弁護士に依頼するメリットは、早く確実に事件を解決できる可能性が高まることです。薬物事件の解決には、薬物事件に関する法的知識や解決実績が必要となります。ただ、一般の方はそれらを有しています。

しかし、薬物事件の解決実績が豊富な弁護士は、薬物事件に関する法的知識や解決実績を有しています。そのため、早く確実に事件を解決できる可能性を高めてくれる上に、安心感ももたらしてくれます。

まとめ

今回は、多くの薬物事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、薬物事件で在宅起訴された後の流れや実刑を回避する方法などを解説しました。

在宅起訴では、被疑者の取調べや証拠隠滅防止のために逮捕・勾留する必要性がないと判断されています。そのため、在宅起訴後に逮捕・勾留される可能性は低いと考えられます。また、有利な判決を勝ち取るために必要なことは、通常の裁判と同じです。具体的には、起訴後の流れを十分理解して、早め早めに対応して準備を進めることです。

ただ、一般の方は、薬物事件の在宅起訴を早く確実に解決するために必要な、法的知識や薬物事件解決実績をもっていません。そのため、費用をかけてでも弁護士に解決を依頼することをおすすめします。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設