• LSDで在宅起訴されたらどうしたらいいのだろう
  • LSDの在宅起訴はどのような影響があるのだろうか
  • LSDの在宅起訴での弁護士の活動内容を知りたい

LSDは合成麻薬の一種で、所持・使用・譲受などが「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されています。罰則も規定されており、通常の起訴であろうと在宅起訴であろうと、起訴されれば有罪判決が下される可能性があります。

そこで今回は、LSDの在宅起訴について詳しい弁護士が、在宅起訴の流れや在宅起訴の影響、弁護士の具体的な対応について、詳しく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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LSDで在宅起訴となる可能性

LSDの使用や所持、譲受が明るみに出ると、逮捕されます。不起訴処分でない限りは起訴されますが、通常の起訴ではなく在宅起訴となる可能性はあるのでしょうか。ここでは、LSDの概要をはじめ、以下3点を解説します。

  • LSDとは
  • LSDで問われる罪
  • 在宅起訴される可能性

それでは、1つずつ解説します。

LSDとは

1つ目は、LSDについてです。LSDとは合成麻薬の一種で、水溶液を染み込ませた紙片や錠剤、カプセルの形で流通しています。乱用によって幻覚や幻聴、時間感覚の欠如が現れます。幻覚作用が強い薬物のため、ほんの少量でも物体が巨大化して見えたり、変形して見えたり、色とりどりの光が見える状態になります。この幻覚作用は8時間〜12時間も続きます。

体に起きる異常として、不安感や吐き気の他、頻脈、体温・血圧・心拍数の上昇があり、不眠・食欲減退・気分の高揚・口の中に金属的な味がする場合があります。幻覚作用が非常に強い薬物であることから、乱用を続けると長期間にわたって精神分裂などの精神疾患をきたすこともあります。

LSDで問われる罪

2つ目は、LSDで問われる罪についてです。LSDは「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されている薬物です。この法律では、LSDの輸入の場合と譲渡譲受・施用の場合でそれぞれ下記のように罰則を設けています。

  • 輸入の場合:1年以上10年以下の懲役(同法第65条)
  • 譲渡譲受・施用の場合:7年以下の懲役(同法66条)

また、営利目的であれば、より重い罪に問われます。

出典:麻薬及び向精神薬取締法|e-Gov法令検索

在宅起訴される可能性

3つ目は、在宅起訴される可能性についてです。LSDをはじめとする薬物犯罪に関しては、証拠隠滅を防ぐために逮捕・勾留されることが一般的です。しかし、逃亡や証拠隠滅の可能性が乏しいことや、捜査に対しての協力する姿勢を、弁護士を通して警察に対して示すことができれば、在宅事件として扱われる場合があります。

この在宅事件に関しては、逮捕事件と異なり日常生活を送りながら捜査・裁判を受けることになるため、起訴されにくいと思われることがあります。

ですが、在宅事件であっても、起訴される可能性は逮捕事件と同様にあります。理由としては、在宅事件になる条件は、事件の内容ではなく被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがあるかないかであるためです。在宅事件になったことで、不起訴になる可能性が一概に高くなるわけではないため、注意が必要です。

事件の証拠が押さえられていれば、在宅事件でも十分に起訴される可能性があることは認識しておくべきでしょう。

関連記事:LSDの初犯は早期釈放・不起訴は可能なのか!?弁護士が解説

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LSDで在宅起訴となった場合の流れ

ここでは、LSDで在宅起訴となった場合の流れについて以下4つを解説します。

  • 逮捕
  • 警察からの捜査
  • 起訴状が届く
  • 裁判

それでは、1つずつ解説します。

逮捕

1つ目は、逮捕です。

LSDの罪に問われた場合は、証拠隠滅の防止のため逮捕・勾留される可能性が高いです。しかし、証拠隠滅の可能性がないなどで身柄拘束の必要性がないと判断された場合には、在宅事件として扱われる場合があります。

在宅事件の場合は、逮捕されずに最初から在宅捜査になる場合と、一度逮捕・勾留された後に釈放されて在宅事件に切り替わる場合の2パターンがあります。

在宅起訴は、起訴時に逮捕されていない状態(在宅事件)である必要があります。

警察からの捜査

2つ目は、警察からの捜査です。

在宅事件の場合は、捜査を受けながらも日常生活が維持できます。警察からは何度か出頭要請が届いたり、任意同行を求められたりすることもあるでしょう。このときにしっかりと出頭し、捜査協力をすることが必要です。

ただし、逮捕されて身柄を拘束された場合と違って、在宅事件には捜査から起訴までの決められた期限がありません。身柄事件の場合は逮捕後の身柄拘束が最長3日間、勾留が最長20日間で、23日以内には起訴か不起訴の判断が下されます。

在宅事件の場合はこの期限がないので、いつ起訴か不起訴かの判断がつくか、わかりづらい部分があります。場合によっては、半年以上も捜査が続くこともあります。

起訴状が届く

3つ目は、捜査が終わり在宅起訴になると起訴状が届くことです。

起訴状には、被疑者がどんな事実でどのような罪を犯したのか、被告人は誰なのかを特定するような情報が書いてあります。あまり起訴状の内容を見たくはないかもしれませんが、のちのち弁護士に相談するとき、この起訴状は必ずチェックしておく必要があります。自分でも間違った事実が書いていないかどうか、必ず確認しておくべき書類です。

裁判

4つ目は、起訴状が届くと裁判が始まることです。

裁判が始まると、在宅起訴の場合は自宅から裁判所に出廷することになります。決められた裁判期日に裁判所へ向かわなければならず、仕事や学校などの予定調整が必要です。しかし長期間拘束される身柄事件と違って、在宅事件で予定の調整が必要になるのは、裁判期日と警察からの出頭要請に応えるときだけです。

身柄事件と比較すると、仕事や学校への影響はそこまで大きくない、と考えてよいでしょう。ただし、在宅起訴であるからといって無罪になりやすい、などということはありません。先述したように身柄事件との違いは、あくまで証拠隠滅の恐れや逃亡の恐れがないといった部分だけの違いです。

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LSDで在宅起訴から実刑判決となった場合の影響

LSDは単純所持や使用なら、典型的な「被害者のいない犯罪」です。実際にLSDが押収され証拠がしっかりしている場合など、証拠隠滅の可能性が低い場合は、在宅起訴で進む場合もあります。
ここでは、LSDで在宅起訴から有罪となった場合にどのような影響が出るのか、以下3つについて詳しく解説していきます。

  • 重い刑に科せられる
  • 前科がつく
  • 家族にも影響を及ぼす

重い刑に科せられる

1つ目は、重い刑に科せられる可能性があります。

すでに説明したように、LSD犯罪に関する刑罰はそれほど軽いものではありません。営利目的でなくても7年以下、営利目的または輸出なら1年以上10年以下の懲役となります。また再犯の場合は、より重い刑に科せられます。

これだけの長期間にわたって社会生活から隔離されてしまうと、復帰は非常に難しいものです。自分のついていた職や持っていた資格によっては、「再就職ができない」、「資格自体が剥奪される」といったことも起こる可能性があり、影響は非常に大きいものです。

前科がつく

2つ目は、前科がつきます。

通常の起訴でも在宅起訴でも、裁判が行われ有罪判決が出れば前科がつきます。初犯の場合で執行猶予になることもあるかもしれませんが、刑の執行を猶予するものであって前科がつくことに変わりはありません。

前科がつけば人間関係や仕事、学校などに多大な影響が出てきます。家族にも迷惑がかかり、親類が希望の会社に就職できないといった事態も起こり得ます。

前科がつかない場合は不起訴処分になるか、または無罪判決を獲得した場合です。在宅起訴の場合はすでに起訴されているので、前科がつかないようにするためには無罪判決を勝ち取る必要があります。

家族にも影響を及ぼす

3つ目は、家族にも影響を及ぼす可能性があるということです。

LSDで在宅起訴から実刑判決になった場合は、自身が解雇に追い込まれるだけではなく、家族への影響も非常に大きなものです。

ご家族が警察官や公務員、あるいはそれらを志望している場合には、家族の仕事や将来に影響が出るかもしれません。そのようなことになれば、家族間の関係も険悪なものになってしまうでしょう。

また、悪い噂ほど早く広がってしまうものです。世間体が悪くなったり、今の場所に住みにくくなったりということも出てくるかもしれません。仮に引っ越すことになってしまった場合、仕事をやめることになる可能性がある他、再雇用してもらうにも前科の事実が発覚して職につけず困窮する可能性があります。

LSDで在宅起訴後に行うべき活動

LSDで在宅起訴されてしまった場合、気が動転していて何をしたらよいのかわからなくなってしまうことがあるかもしれません。ここでは、LSDで在宅起訴された場合にどのような活動をすべきなのか、以下2つについて詳しく解説します。

  • 弁護士への相談
  • 家族サポート

それでは、1つずつ解説します。

弁護士への相談

第一にすべきなのは、弁護士への相談です。

弁護士にはそれぞれ専門分野があるので、薬物事件に強い弁護士を探して依頼しましょう。弁護士はいくつもの経験から、どうすれば被告人に有利な状況を作り出せるのかをよく知っています。

自分一人ではできないことも、プロフェッショナルの目から見れば、できることがあるかもしれません。少しでも自分に有利な状況を作るために、弁護士への相談は警察の呼び出しがあったタイミングで早急にすべきでしょう。

家族サポート

次は、家族サポートです。

起訴され有罪が免れないとき、家族からのサポートが受けられるかどうかというのは刑の減刑に関わってきます。情状証人として家族に出廷してもらい、よい側面を立証してもらいつつ、社会復帰したあとの監督指導をすることを説明してもらうことで、裁判官への心証はよくなります。

情状証人として出廷してもらうためにも、家族へのフォローはしっかりしておきましょう。

LSDで在宅起訴後に必要な弁護活動

LSDで在宅起訴された後、どのような対応が必要なのか、動転していてすぐには判断がつかないでしょう。弁護士に一刻も早く依頼することが近道ですが、弁護士はどのような活動を行ってくれるのでしょうか。

ここでは、LSDで在宅起訴後に必要な弁護活動について詳しく解説します。

  • 警察・検察からの捜査対応
  • 無罪獲得を目指す
  • 軽刑・執行猶予を目指す
  • 施設の紹介

それでは、1つずつ解説します。

警察・検察からの捜査対応

弁護活動の1つ目は、警察・検察からの捜査対応です。

在宅事件では、警察官や検察官の取り調べを受けるために出頭をすることがあります。弁護士は、まず事実関係を確認し、自分が不利になるような言い回しをしないようにアドバイスをしてくれます。

どのような質問をされるのか想定し、それに対する回答を用意しておくことで、被告人が不利になる状況をできるだけ避けるためです。できる限り早く弁護士に依頼しておけば、このような対応もスムーズにできます。

無罪獲得を目指す

弁護活動の2つ目は、無罪獲得を目指すことです。

被告人が否認している場合には、無罪獲得を目指した証拠収集と、事件の内容に合わせた準備をします。被告人が使用したものをLSDと認識していない、騙されて購入したなどが立証できるものがあれば、無罪獲得が見えてきます。

また、捜査に違法性がないかどうかを厳しく確認します。裁判では、違法に収集された証拠は認めないという原則があります。捜査する側が違法行為をした場合、実際に証拠があっても無罪となることもあるのです。

弁護士に相談することで事件の内容(所持・使用・密輸入)に合わせた適切な対応をとることが可能です。

減刑・執行猶予を目指す

弁護活動の3つ目は、減刑・執行猶予を目指すことです。

被告人が罪を認めている場合には、執行猶予付きの判決、及びできる限り減刑することを目指します。執行猶予とは、刑罰を一定期間は執行せずに、猶予するものです。特に初犯の場合、量刑が3年以内であれば執行猶予がつくことが多くなります。

このため、事件の内容や事実を細かく確認し、被告人に有利な部分がないかどうかを見極めます。

施設の紹介

弁護活動の4つ目は、再犯防止のための薬物依存治療の専門施設の紹介です。

LSDでの犯罪は、再犯率が高いことが特徴です。本人の薬物を使わないという意志が固くても、周囲の状況や薬物に蝕まれて弱った精神では、再犯を防止できない可能性があります。再犯は初犯よりも重い罪に問われることが多いため、再犯予防は非常に重要です。

薬物事件に強い弁護士は、再犯防止プログラムや十分なケアを行うことができる施設を紹介してくれます。家族からのサポート体制についてもアドバイスしてくれるので、再犯予防も期待できます。

関連記事:薬物事件の捜査はどのように行われる?一連の流れを専門弁護士が解説

LSDで在宅起訴されたら早急に弁護士への相談が必要

今回は、LSDの在宅起訴について詳しい弁護士が、在宅起訴の流れや在宅起訴の影響、弁護士の具体的な対応について解説しました。LSDで在宅起訴されると、身柄事件ではないとはいえ有罪判決が出る可能性があります。刑罰が重ければ重いほど社会生活から隔離される期間は長くなり、その後の社会復帰が難しくなってしまいます。

薬物事件に強い弁護士は、事件においてどのような部分をしっかり主張すべきなのか、どのようにすれば刑が軽くなるのかをよく知っています。依頼まで時間がかかればかかるほど、弁護士が活動できる期間は短くなってしまいます。LSDで在宅起訴されてしまったら、できる限り早く弁護士へ相談するようにしましょう。

刑事事件に強い弁護士による逮捕・不起訴・裁判の無料相談!

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代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
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慶應義塾大学法学部卒業
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