- ラッシュの再犯は実刑が確実なのだろうか
- ラッシュでの再犯で実刑を回避するためにできることはあるのか
- ラッシュの再犯に関する事件にはどういう弁護士を選ぶのがよいのか
ラッシュは、医薬品医療機器等法と関税法によって裁かれます。以前までは脱法ドラッグとして流通していましたが、現在は指定薬物となり、所持や使用については刑罰の対象となりました。
特に、ラッシュの輸入は罪の重い関税法違反となり、10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金となります。では、ラッシュで逮捕された場合は実刑を回避する方法はあるのでしょうか。
今回は、多くの薬物事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、ラッシュの再犯で実刑を回避するポイントや、どんな弁護士に弁護を依頼すべきか解説します。
この記事を監修したのは
- 代表弁護士春田 藤麿
- 第一東京弁護士会 所属
- 経歴
- 慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設
ラッシュの再犯に関する基礎知識
ここでは、コカイン事件について解説する前に知っておきたい基礎知識として、以下の2つを解説します。
- ラッシュの意味
- ラッシュに関する法律と罰則
では、1つずつ解説します。
ラッシュの意味
基礎知識の1つ目は、ラッシュの意味です。
ラッシュは、亜硝酸エステルを主成分とする吸入剤です。使用すると、性的興奮が一時的に高まるとされています。また、揮発性が高いためガラス瓶に封入されて流通しています。
ラッシュは以前まで脱法ドラッグとして使用されていました。しかし、2006年に厚生労働省薬事・食品衛生審議会指定薬物部会の「指定薬物」となり、2007年に省令が施行されて販売規制が開始されました。さらに、2014年には個人の使用や所持も禁止されました。
ラッシュに関する法律と罰則
基礎知識の2つ目は、ラッシュに関する法律と罰則です。
ラッシュ事件を処罰する根拠となる法律は、(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律医薬品医療機器等法)と関税法の2つです。以下に、それぞれの罰則について表にまとめます。
医薬品医療機器等法 |
|
関税法 | ラッシュの輸入:10年以下の懲役、もしくは3,000万円以下の罰金 |
※ラッシュの輸入は、医薬品医療機器等法と関税法両方に違反。この場合、罪が重い関税法を基準に判決。
ラッシュの再犯で実刑を回避するためのポイント
ここでは、ラッシュの再犯で実刑を回避するためのポイントとして、以下の4つを解説します。
- 執行猶予を狙う
- 情状証人がいたらそのことをアピールする
- 再犯防止の取り組みをアピールする
- 速やかに弁護士に相談する
では、1つずつ解説します。
執行猶予を狙う
実刑を回避するためのポイント、1つ目は執行猶予を狙うことです。
ラッシュの再犯において、証拠が揃っている状態で不起訴処分を勝ち取ることは現実的ではありません。しかし、裁判になっても執行猶予付きの判決であれば、すぐに刑務所に行く必要はありません。
ただ、一般に薬物事件での再犯で執行猶予付きの判決を勝ち取るのはハードルが高いとされています。また、前科や今回の罪など、裁判所は様々な要素を踏まえて判決を下すものです。それらの要素を考慮した上で、執行猶予を狙う戦略を練ることになります。
情状証人がいたらそのことをアピールする
実刑を回避するためのポイント、2つ目は情状証人がいたらそのことをアピールすることです。
ラッシュの再犯による裁判では、情状証人がいると実刑回避ができる場合があります。これは、刑罰の重さは再犯の可能性に左右されますが、情状証人の監督によって再犯が抑制されると考えられるためです。
情状証人は、親や配偶者などの同居する親族にお願いすることが多く、被告人に再犯をさせない抑止力がどれほどあるかアピールする必要があります。
再犯防止の取り組みをアピールする
実刑を回避するためのポイント、3つ目は再犯防止の取り組みをアピールすることです。
ラッシュ事件の再犯防止には、薬物の更生施設への通所や薬物依存治療など、第三者の支援を受けることが大切です。また、同居の家族が監督者となり、どれだけ被疑者をサポートできるかも重要なポイントでしょう。
ラッシュなどの薬物は依存性が高く、再犯率が高い犯罪とされています。そのため、第三者の支援を受けて、薬物依存から立ち直るための取り組みは非常に有益です。
速やかに弁護士に相談する
実刑を回避するためのポイント、4つ目は速やかに弁護士に相談することです。
薬物事件の経験が豊富で、法律にも詳しい弁護士に相談することで、実刑判決を受ける可能性や実刑を避けるために具体的にどうすればいいかなど、的確な助言を受けられます。また、裁判に向けた弁護活動だけでなく、薬物依存治療の施設を紹介してくれるなど、再犯防止のサポートもしてくれます。
ラッシュなどの薬物事件を早く確実に解決するには、十分な準備が必要です。早急に弁護士に相談することで、どのような準備が必要か明確になるため、迷わず準備できるでしょう。
ラッシュ再犯による事件で弁護士ができること
先ほど、実刑を回避するためのポイントとして、速やかに弁護士に相談することを述べました。ここでは、ラッシュ再犯による事件で弁護士ができることを解説します。
ラッシュ事件の再犯において、弁護士ができることは以下の4つです。
- 逮捕後の早期釈放
- 起訴後の執行猶予獲得
- 無罪のための弁護活動
- 不起訴処分獲得
ラッシュを含む薬物事件では、その性質上逮捕後は基本的に勾留されます。しかし、勾留期間は最長20日間にも及び、会社や学校などの社会生活に大きな影響を与えるでしょう。そこで、弁護士が介入して勾留の必要性がないことを主張します。
また、起訴された場合は執行猶予の獲得を目指します。執行猶予がつけば、すぐに刑務所に入る必要がありません。もしくは、ラッシュ事件に身に覚えがない場合は、無罪に向けた弁護活動を行います。
さらに、嫌疑不十分や証拠不十分で不起訴処分を勝ち取れる可能性がある場合は、不起訴処分を目指します。
ラッシュの再犯ではどんな弁護士を選べばいいか
ここでは、ラッシュの再犯ではどんな弁護士を選べばいいかについて、以下の4つのポイントを解説します。
- 依頼を受けて即日弁護活動を開始してくれる
- いつでも連絡できる
- できることや費用を明確に示してくれる
- 薬物事件に対する解決実績を多数有する
では、1つずつ解説します。
依頼を受けて即日弁護活動を開始してくれる
弁護士を選ぶポイントの1つ目は、依頼を受けて即日弁護活動を開始してくれるかどうかです。
ラッシュ事件で逮捕された場合、48時間以内に検察に身柄が送致され、24時間以内に勾留請求されます。その間に釈放を目指すのであれば、72時間以内に身柄解放の要求が必要です。このように、特に逮捕されてすぐは、ラッシュ事件での弁護活動は時間との勝負になります。
そのため、依頼されてすぐに弁護活動を開始してくれる弁護士を探すようにしましょう。
いつでも連絡できる
弁護士を選ぶポイントの2つ目は、いつでも連絡できるかどうかです。
被疑者は、許可を取れれば担当弁護士と連絡することが可能です。しかし、弁護士が常に連絡できる相手でなければ意味がありません。
常に連絡がとれる環境は、被疑者の精神面において大きなプラスとなります。また、密なコミュニケーションは弁護活動に有利に働き、弁護士にとっても必要となるサポートがしやすいメリットがあります。
できることや費用を明確に示してくれる
弁護士を選ぶポイントの3つ目は、できることや費用を明確に示してくれるかどうかです。
弁護士費用は、着手金と成功報酬金からなります。着手金は、通常依頼時と裁判時に支払います。着手金と成功報酬金は、それぞれ30万円前後が相場です。否認事件では、50~100万円に設定している弁護士事務所も存在します。
ただ、弁護士事務所により報酬の設定はまちまちです。どの範囲までその弁護士事務所が対応してくれるか、もしくは費用はどのくらいか確認して、わからないことがあったら速やかに相談しましょう。
薬物事件に対する解決実績を多数有する
弁護士を選ぶポイントの4つ目は、薬物事件に対する解決実績を多数有するかどうかです。
弁護士は幅広いジャンルを担当できますが、当然得意不得意があります。ラッシュ事件の場合はできるだけ薬物事件に強い弁護士を選ぶと安心です。
薬物事件に強い弁護士を見極めるポイントの1つが解決実績です。薬物事件の解決実績が多いほど、過去の解決実績からの経験や知見を活かした弁護活動が期待できるでしょう。
まとめ
今回は、多くの薬物事件を解決に導いてきた実績のある専門弁護士が、ラッシュの再犯で実刑を回避するポイントや、どんな弁護士に弁護を依頼すべきか解説しました。
ラッシュは指定薬物であり、許可のない所持や使用などは医薬品医療機器等法と関税法によって刑罰の対象となります。特に、ラッシュの輸入・輸出については、より罪の重い関税法で裁かれます。
また、ラッシュに限らず薬物事件の再犯では、執行猶予付きの判決を勝ち取るハードルが高いとされています。しかし、弁護士に速やかに相談して、情状証人の存在や再犯防止策をアピールすることで、少しでもその可能性を高めることが大切です。
このように、ラッシュで逮捕されたときには、速やかに弁護士に依頼することで、早く確実に解決できる可能性が高まります。弁護士を雇う費用はかかりますが、メリットの方が大きいでしょう。
この記事を監修したのは
- 代表弁護士春田 藤麿
- 第一東京弁護士会 所属
- 経歴
- 慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設