覚醒剤事件の懲役はどれぐらい?弁護士ができることを徹底解説
覚醒剤を所持・使用した時の懲役には何があるのだろう
初犯や再犯によっても違うのだろうか
懲役を科せられたら家族はどうなってしまうのだろう

覚醒剤は絶対所持・使用してはいけない薬物です。使用した場合の危険性は周知されているものの、テレビなどのメディアでは覚醒剤に関する事件が今も頻繁に報道されています。

本記事では覚醒剤所持・使用に関して、懲役がどの程度か、科せられるとどうなるか、必要な弁護活動についても薬物犯罪に強い弁護士が詳しく解説していきます。覚醒剤には絶対に手を出さないことが重要ですが、何らかの事情で警察に摘発された場合、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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覚醒剤の懲役はどれくらいか

覚醒剤醒剤の所持・使用に関しては、覚醒剤取締法で禁止されています。
(以前は「覚せい剤取締法」という名称でしたが、2020年の改正で、「覚醒剤取締法」に名称変更されています。)

覚醒剤取締法では、所持・使用のほかに、譲渡・譲受と輸入・輸出・製造を禁止行為として規定しています。禁止行為の種類によって刑罰の重さが異なる法律です。また、覚醒剤取締法に違反した場合の刑罰は、パターンによって異なります。

ここでは、覚醒剤の懲役はどれくらいか、以下の5つのパターンについて見ていきます。

  • 初犯の場合
  • 再犯の場合
  • 使用量
  • 依存性
  • 営利目的

1つずつ、見ていきましょう。

初犯の場合

初犯の場合の懲役について説明します。

一般的に初犯の場合は執行猶予が付けられるなど、刑罰が軽くなる傾向があります。

覚醒剤取締法違反の場合も初犯であれば、懲役1年6か月、執行猶予3年の判決を受けるケースが多いです。ただし、営利目的で覚醒剤を譲渡した場合、初犯であっても執行猶予が付かず、実刑判決を受けるなど、刑罰が重くなる場合もあります。

初犯で覚醒剤取締法違反で起訴された場合、執行猶予を付けてもらうためにも弁護士に相談することをおすすめします。

再犯の場合

再犯の場合の懲役について説明します。

覚醒剤取締法違反に限らず、再犯の場合は刑罰が重くなることが多いです。

この場合、初犯と違って実刑判決を受ける可能性が高いです。また、以前の罪による執行猶予の期間中に再犯となった場合は、執行猶予となっていた懲役刑と再犯の懲役刑を合わせた期間、刑務所に入ることになります。

覚醒剤取締法違反は、比較的再犯率が高い犯罪のため、最初から手を出さないことです。ただし、再犯で逮捕された場合も、刑の一部執行猶予になる可能性がない訳ではありません。

使用量

使用量の違いによる懲役について説明します。

覚醒剤は使用量によって刑罰の重さが異なる傾向にあります。初犯であっても、覚醒剤を何度も使用していたなど使用量の累計が多かった場合、実刑判決を受ける可能性があります。

覚醒剤は非常に依存性の高い薬物といえるため、一度手を出してしまうと、その後自分だけでは止められずに使用量が増えてしまうかもしれません。

少量だからといって、覚醒剤を所持・使用しては絶対にいけないということに変わりはありませんが、使用量が多ければ多いほど刑罰が重くなる可能性が高いです。

依存性

依存性の違いによる懲役について説明します。

法律で禁止されている薬物には依存性が高いものが多く、覚醒剤も例外ではありません。覚醒剤取締法違反で依存性があると認定された場合は、刑罰が重くなる傾向があります。なぜなら薬物犯罪は再犯率が高いため、今後も使用を繰り返す可能性があるためです。

依存性が低いと認定された場合は、刑罰が軽くなる可能性もあります。覚醒剤取締法違反で起訴された場合、依存性が低いことを認定してもらうためにも、早期段階で弁護士と相談することをおすすめします。

営利目的

営利目的がある場合の懲役について説明します。

覚醒剤取締法違反の刑罰の決め手となる理由の1つが、営利目的で覚醒剤を所持・譲渡しているかです。営利目的で覚醒剤を所持・譲渡した場合、初犯であっても実刑判決を受ける傾向にあります。更に、再犯かつ営利目的の場合には、より刑罰が重くなる可能性が高いです。

自分で使用することはないが覚醒剤を所持していた場合、営利目的と疑われる可能性がありますので、注意しましょう。

関連記事:覚醒剤で執行猶予を決める判断ポイントとは?強い弁護士が徹底解説

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覚醒剤で懲役が科せられるとどうなる?

ここでは、覚醒剤で懲役が科せられるとどうなるかについて、以下3点を説明します。

  • 本人への影響
  • 友人への影響
  • 家族への影響

1つずつ、見ていきましょう。

本人への影響

覚醒剤取締法違反で懲役が科せられることの本人への影響は、会社を解雇されたり仕事を失うなどがあります。懲役が科せられるとは、前科がつくことであり、さまざまな面で不利になる可能性が高いです。もちろん、社会的信用の低下も避けられません。

また覚醒剤の使用をした場合は、心身への影響もあります。覚醒剤は非常に依存性の高い薬物のため、使用を止められない可能性もあります。最悪の場合何度も覚醒剤に手を出して、一生を台無しにすることも考えられるため、十分注意が必要です。覚醒剤を止めるには、相当な努力が必要であることを認識しておきましょう。

刑期を終えて出所した後も、覚醒剤取締法違反で懲役が科された過去が知れ渡り、人間関係を作ることができない可能性も考えられます。つまり、覚醒剤に手を出す前の生活に戻ることは非常に険しい道のりなのです。

友人への影響

覚醒剤取締法違反で懲役が科せられると、友人にも影響が出る可能性が高いと言えます。例えば、被疑者が友人と同居している、または逮捕時に友人と一緒にいた場合、友人も警察に疑われることになり、友人も捜査を受ける可能性が高いです。

また、使用者本人が覚醒剤取締法違反で懲役が科されると、その友人も実は使用していたのではと疑われ、周囲の人から距離を置かれるなどの影響も考えられます。

覚醒剤使用は、本人だけでなく友人にも大きな影響を及ぼします。

家族への影響

覚醒剤取締法違反で懲役が科せられることの家族への影響は、会社を解雇されたり仕事を失うなど、本人と同じようにマイナスとなる可能性が極めて高いです。

家宅捜索や警察からの連絡により、家族に知られる可能性があります。家族は事件と無関係と言っても、本人が覚醒剤取締法違反で懲役が科せられた場合は、近所や家族が所属する学校関係に悪影響が出てしまい、家族全体への社会的信用の低下が避けられません。

また本人が懲役の影響で仕事ができない場合、他の家族への経済的な負担もかかります。覚醒剤が原因で家族が離婚するなど、家族への影響は計り知れません。

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覚醒剤で懲役が科せられるまでに行える弁護活動

ここからは、覚醒剤で懲役が科せられるまでに弁護士が行うことができる弁護活動について、以下5点を説明します。

  • 被疑者への助言
  • 反省を促す
  • 減刑を求める
  • 保釈請求
  • 不起訴処分

1つずつ、見ていきましょう。

被疑者への助言

覚醒剤で懲役が科せられるまでに行うことができる弁護活動の1つ目は、被疑者への助言です。

弁護活動の中でも「被疑者への助言」は比重が大きいです。覚醒剤取締法違反で逮捕された場合、被疑者は弁護士への接見を求めることができます。警察官の立会いなしに弁護士から助言を受け、不起訴処分や執行猶予を目指していきます。

万が一、覚醒剤の使用・所持で摘発された場合は、まずは接見にて弁護士からの助言を得ましょう。

また起訴された場合においても、裁判に向けて弁護士とよく話し合うことが執行猶予、減刑等のためにも重要です。

反省を促す

覚醒剤で懲役が科せられるまでに行うことができる弁護活動の2つ目は、反省を促すことです。

覚醒剤取締法違反の事実が被疑者にある場合、罪を正しく認めて反省を示すことで、減刑となる可能性があります。

反省の意を示す方法の1つとして、弁護士を通じて実施する贖罪寄付(反省の気持ちを寄付で表す)があり、初公判の前までに行うことが一般的です。贖罪寄付を検討する際は、まずは弁護士に相談しましょう。

減刑を求める

覚醒剤で懲役が科せられるまでに行える弁護活動の3つ目は、減刑を求めることです。

一般的に初犯の場合は、事情により執行猶予付きの判決などを得られる可能性がありますが、再犯の場合は、執行猶予や減刑が難しいと言われています。

もっとも、初犯でなくても「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」により、一部執行猶予判決を受ける場合があるため、弁護士とよく相談しましょう。

保釈請求

覚醒剤で懲役が科せられるまでに行える弁護活動の4つ目は、保釈請求です。

覚醒剤取締法違反で逮捕され起訴された場合、状況によっては保釈請求をすることができます。保釈請求が認められることで釈放され、日常生活を送りながら裁判を受けることになります。

保釈されるためには、裁判所に保釈金を支払う必要があり、ある程度のお金が必要です。ただし、保釈中に逃亡や証拠隠滅などをしてしまうと、保釈が取り消しになる上に保釈金を没収される可能性もありますのでくれぐれも注意しましょう。

不起訴処分

覚醒剤で懲役が科せられるまでに行える弁護活動の5つ目は、不起訴処分です。

覚醒剤取締法違反で逮捕されたものの被疑者本人が全く身に覚えがない場合、不起訴処分を得るために、弁護士からの助言を得ることが大切と言えます。

また、犯罪行為を立証する証拠がない場合や証拠が不十分な場合においても、不起訴処分となる場合があります。

まずは、逮捕後すぐの段階で、弁護士への接見を求め、適切な助言を得ることが重要です。

関連記事:覚醒剤で保釈許可されるにはどうすべきか?弁護士がポイントを徹底解説

まとめ

本記事では、覚醒剤所持・使用に関して覚醒剤取締法違反の刑罰、懲役が科せられた場合の影響、逮捕された際の弁護活動を中心に解説してきました。

覚醒剤には、絶対手を出してはなりません。何らかの事情によって覚醒剤取締法違反を疑われて逮捕された場合には、刑が重くならないための弁護活動を行うことが重要であり、薬物犯罪に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設