• MDMAで無罪はあるのだろうか
  • MDMAで無罪を勝ち取るためにどのような条件が必要なのだろう
  • 弁護士がしてくれる活動を知りたい

MDMAに関する犯罪は、違法薬物関連の犯罪の中でも非常に例が多く、毎年多くの方が逮捕・有罪判決を受けています。MDMAに関する犯罪で無罪を勝ち取るためには、適切な証拠集めと弁護活動が必要不可欠です。

そこで今回は、MDMAに詳しい弁護士がMDMAに関する犯罪において、無罪を勝ち取る可能性を高める方法について解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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MDMAで無罪はあるのか

まずは、MDMAで無罪はあるのかについて、MDMAに対する理解を深めながら以下4点について説明します。

  • MDMAの特徴
  • MDMAで現れる症状
  • 問われる罪
  • 無罪の可能性

それぞれ順番に解説します。

MDMAの特徴

まずはMDMAを理解するために、特徴について説明します。MDMAとは、「メチレンジオキシメタンフェタミン」と呼ばれる薬品名の略称であり、可愛らしい外見で流通している危険な薬物のことです。

MDMAは他の麻薬等のように粉末で流通していることは少なく、ラムネ菓子のような見た目をして流通していることが多いです。そのため、MDMAとは知らずに摂取してしまう可能性もあります。摂取することで、脳内の興奮物質であるドーパミンやアドレナリンが大量に分泌され、多幸感をおぼえたり、興奮したりする作用が見られます。

MDMAは、複数の化学物質を合成して作られる「合成麻薬」の1つであり、非常に安い原価で生成が可能な危険薬物です。安価で作られることによって、流通に拍車がかかっており、問題視されています。

MDMAで現れる症状

次にMDMAで現れる症状について説明します。

MDMAを摂取すると、前述した通り脳内の興奮物質が大量に分泌され、多幸感や興奮を味わうことになります。乱用を続けると、精神錯乱や記憶障害などの副作用を引き起こし、最悪死に至ります。

MDMAの乱用によって現れる症状の一例は、以下の通りです。

  • 循環器系の疾患:高血圧・血管壁損傷・血栓症・脳梗塞・頻脈・不整脈・低血圧など
  • 強烈な不安障害
  • 開口障害
  • 生命に関わる症状:41.5度を超える高熱・低ナトリウム血症・急性肝障害など

上記の症状が、2日以上にわたって継続することもあり、最悪の場合は死に至らしめる副作用を引き起こします。

なお、MDMAは依存性が高い薬物であるため、使い続けることで1回あたりの摂取量が増えることで、上記の症状を引き起こすリスクが高まります。さらに、MDMAの摂取を停止すれば禁断症状が起きることが多いため、自力で乱用を止めることが非常に困難な薬物です。

問われる罪

MDMAで問われる罪についても説明します。MDMAは「麻薬及び向精神薬取締法」によって厳しく取り締まりが行われている薬物です。使用するだけではなく、所持や譲渡、それらに関わるだけでも罪に問われます。

MDMAに関する刑罰については下記表の通りです。

行為 非営利目的 営利目的
輸出入・製造 10年以下の懲役 1年以上の懲役
又は1年以上の懲役及び500万円以下の罰金
製剤・小分け・譲渡・譲受・所持・施用・施用のための交付 7年以下の懲役 1年以上10年以下の懲役
又は1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金

 

出典:麻薬及び向精神薬取締法|e-Gov法令検索

無罪の可能性

ここまで、MDMAの理解を深めるために、その特徴や現れる症状・問われる罪について説明しました。最後に、MDMAで無罪となる可能性について説明します。

故意ではないMDMAの使用や、違法捜査によって起訴された場合には、無罪判決が下される可能性があります。

MDMAは可愛らしくて手に取りやすい見た目のため、知人が持っているのを見て、ラムネ菓子などのお菓子と勘違いして、間違えて飲んでしまうかもしれません。

そのような場合、故意には当たらないため、無罪となる可能性もあります。MDMAの所持等に規定されている罰則は、懲役もしくは懲役と罰金の併科です。起訴された場合は、公開刑事裁判に出廷する必要があります。当然ながら有罪となった場合は、刑の執行が行われます。

MDMA事件に巻き込まれたら早期に弁護士に相談の上、無罪を勝ち取るための証拠集めなど活動してもらうことが大切です。

関連記事:MDMAで在宅起訴されるのか?条件・周りへの影響・弁護活動について徹底解説

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MDMAで無罪の可能性が高くなる条件

MDMAで無罪の可能性が高くなる条件について、以下2点を説明します。

  • 故意ではない所持・使用
  • 違法捜査

それぞれ順番に解説します。

故意でない所持・使用

1つ目の条件は、故意でない所持・使用です。MDMAを所持・使用していたものの、それらの行為が故意ではないと判断された場合は、無罪となります。

具体的には、違法薬物であることを知らず他人から預けられていた場合や、騙されたり脅されたりした上で、MDMAを所持・使用した場合などが挙げられます。

このような状況であったことを立証できた場合、勾留期間中の不起訴処分や、起訴された後でも無罪を勝ち取れる可能性が高まるでしょう。

違法捜査

2つ目の条件は、違法捜査です。勾留や起訴が行われたものの、その過程で違法捜査が行われていたことを立証できた場合は、無罪判決となる可能性が高まります。

違法捜査とは、訴訟手続上で法的に違法な方法を用いて証拠を収集することであり、取調べ中の恫喝・証拠隠し・捏造などが含まれます。

2021年にはMDMAを使用したことによって罪に問われたものの、その間に違法捜査が確認されたことによって、無罪判決が言い渡された事例もあります。

出典:麻薬取締法違反罪に問われた女性に無罪判決 「違法捜査」と認定|朝日新聞DIGITAL

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MDMAで無罪の可能性を高める弁護活動

MDMAで無罪の可能性を高めたいなら、弁護士により弁護活動を行うことが重要です。ここでは、MDMAで無罪の可能性を高める弁護活動3点について説明します。

  • 事実確認
  • 取調べ対応のアドバイス
  • 正しい証拠からの主張

それぞれ順番に解説します。

事実確認

活動の1つ目は、事実確認です。

弁護士は依頼を受けたら、まずは依頼者と接見し、事実確認を行います。依頼人がMDMAの利用を否認している場合は、証拠不十分による不起訴処分や無罪判決になるように、材料集めを行います。MDMAの利用や所持をしていない場合は、その旨を必ず弁護士に伝え、無罪になるための証拠集めや、証拠の材料となる情報を提供することが大切です。

依頼人がMDMAの所持や利用等を認めている場合は、無罪にはならない可能性が高いです。執行猶予付き判決を勝ち取ることや、少しでも量刑を軽くするために弁護を行います。この場合も依頼人は反省の色を示しつつ、事実を正確に伝えることで弁護士が活動しやすい状況を作り出しましょう。

取調べ対応のアドバイス

活動の2つ目は、取調べ対応のアドバイスです。

弁護士は、依頼者に対して取調べ対応のアドバイスも行います。なぜなら、取調べ時の誘導尋問などによって、被疑者にとって不利な調書を取られてしまう可能性があるからです。

特に、誘導尋問や恫喝などによって、真実とは異なる自白をしてしまうケースが珍しくありません。依頼者が不利な状況に立たされることを防ぐためにも、供述調書の内容確認のアドバイスをしっかりと受けましょう。

正しい証拠からの主張

活動の3つ目は、正しい証拠からの主張です。

弁護士は、弁護活動が始まったら無罪を勝ち取るために証拠集めを開始します。たとえば、被疑者がMDMAを無自覚で所有していたことを裏付ける事実や、違法捜査が行われていないかの確認を行うことなどが、証拠集めにあたります。

その上で大切なのは、適切な手続きを踏んだ上で、検察や裁判官に無実を主張することです。弁護士は証拠集めから、検察・裁判官への主張までを適切な手順で行ってくれるため、安心して任せられるでしょう。

MDMAで無罪を勝ち取りたいなら早急に弁護士への相談を

本記事では、MDMAに関する犯罪の概要や無罪となる可能性を高める方法について解説しました。

MDMAに関する犯罪で無罪を勝ち取るためには、弁護士による適切な弁護活動を受け、無罪となるための証拠集めを行ってもらう必要があります。MDMAに関連する罪の疑いをかけられている方は、本記事を参考にした上で、最善の結果を勝ち取るためにも、ぜひ弁護士へご相談ください。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設